空気を読む脳を呼んでのレビュー前編の続きです。前編を読んでない方はこちら
脳科学の本を読んで、理解をなんとなく深めると子どもとの関わりも非常にスムーズになるような感覚があります。難しい科学の本ではないので是非手にとってもらいたいと思ってレビューしています。
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早速ですが、本文抜粋と私の理解したことなどを子どもとの関わりに特化してまとめていこうと思います。
褒める教育の失敗
面白い研究結果があります。
400人の10歳から12歳の子を3グループに分け、あるテストをしてもらいます。終了後、1グループずつに違う声をかけます。すると、なんと声をかけられたグループが、再度テストに挑戦しようという意欲をもつ子どもの割合が多かったでしょうか。
- 頭がいいと褒める
- 努力したと褒める
- 何も言わない
さて、このグループの中で、どの声がけが、子供のさらなる挑戦意欲を高める言葉であったでしょうか。
このように書くと、言わずもがなだと思うのですが、実際に自分の子どもへの声がけを振り返ってみるといかがでしょうか。著者はこのように書いています。
褒め方には注意が必要で、その子のもともとの性質でなく、その努力や時間の使い方、工夫に着目して評価することが、挑戦することをいとわない心を育て、望ましい結果を引き出す、と研究チームは結論づけています。
第3章「褒める」は危険 ~日本人の才能を伸ばす方法とは? |空気を読む脳 中野信子
褒めることで、現状に満足したり、失敗を恐れて慎重になり消極的になったりする。また、無関心なことで、嘘をついたり、無力感をもちやすくなる。このことからプロセスが大事だということは、頭ではわかっているはずですが、いざ、実際に自分が発している言葉はどうでしょうか。頭で考えるよりも、難しい気がしますが、挑戦意欲を失わないためにも、言葉選びは怠りたくないですね。
愛と憎しみホルモン
愛情ホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」は、多ければ多いほど良いものという印象を抱いている人も多いでしょうが、実は憎しみも備えている物質。愛と憎しみは紙一重。かわいさ余って憎さ100倍といったところです。
オキシトシンの濃度が高いとき、束縛したり、コントロールしようとしたりといった支配現象も起こります。
子どもをコントロールしようとしたり、パートナーを束縛したりするのは、愛情余っての気持ち。
愛情と絆を強めようとするほど、自分とは異なるものを排除しようとするバイアスがかかってきます。
戦争がなくならないのは、オキシトシンの影響なのでしょうか。
素晴らしいご褒美
「頑張ったら〇〇を買ってあげる!」とはよく聞くフレーズのように感じますが、皆さんのご家庭ではいかがでしょうか。
こちらも実験結果が記されています。
あることをしようとしている2つのグループに対して、1つは、ご褒美を渡すことを伝え、もう1つのグループには何も伝えない。さて、どちらのグループのほうが課題に対して取り組む姿勢が良かったでしょうか。
答えは、
ご褒美を伝えなかったグループです。
びっくりされたでしょうか。
実は、脳は「ご褒美をくれる=嫌なことをしなくてはいけない」という構造が経験則としてあるそうです。
どんなに楽しい課題だったとしても楽しめずに取り組むという構造に変質させられてしまうということ。
なんて悲しいことでしょうか。
これは子供に限ったことではありません。大人の報酬なども同じことが言えます。
もらえる報酬が多いと少ないでは、多いほうがプレッシャーを感じたり、少ないほどやりがいに着目できるといったことが言えます。
ただし、何かを生み出すものではなくただ単に作業となると話は変わり、報酬を与えられるグループのほうが圧倒的に高くなります。
現代はどうでしょうか?われわれやわれわれの子ども時代が取り組まなくてはならないのは、正解やゴールのない問題ばかりです。むしろ、単純作業はどんどん機械に勝ってなくなっていくのですから、そんなところを鍛えてもまったくの無駄になってしまうであろうことが容易に予測できます
第3章「褒める」は危険 ~日本人の才能を伸ばす方法とは? |空気を読む脳 中野信子
脳の仕組みからもわかるように、親などの身近な人からかけられる声のかけ方がいかに重要であるかが証明される実験が、これまでも幾度もされてきています。
私たち親ができることを、子どもの挑戦意欲を奪わないためにも、一つ一つ心がけて丁寧に接していきたいですね。
脳科学の本は、読めば読むだけ面白いです。是非、楽しく読んで知識を深めていけたらと思います。
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