中野信子さんをご存知でしょうか。私の数少ないテレビ視聴の機会でも、度々コメンテーターとしてお見受けしているので、きっと皆さんご存知ですよね。
なかののぶこ-1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用科学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに、人間社会に生じる事象を科学の視点をとおして明快に解説し、多くの支持を得ている。現在、東日本国際大学教授。
中野信子 空気を読む脳 裏表紙より
長編レビューになるので、前編後編に分けました。後編は近日中に公開。
後編は、子育てと脳科学に特化した記事の予定です。
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空気を読む脳 (講談社+α新書)読んでみたくなるポイント
2020年2月に第1刷発行され、2020年6月に第5刷発行されている人気本。半年間「現代ビジネス」で連載されたものを加筆修正したものです。
脳の仕組みを理解しようと気を配るだけで、環境のせいか遺伝子のせいかと、何かのせいにするのではなく、脳の性質なのだと受け入れることで生きやすくなるのではと思いましたので紹介していきたいと思います。
読みたくなるキャッチーな見出し
第1章から第4章まで、その中でも各パートごとに大見出しがいくつかあり、その中はさらに小見出しが3~6程度に分かれていて、目次から、パートごとに検索するのもとても容易にできるので、読みたい部分だけ読むことも簡単。さすが、脳に易しい配列!と思ってしまいました。
脳科学なのにライトな手軽さ
全体で200ページ程度かつ、脳科学の本とはいえ、学生でも中年でも読みやすい文体なので私は3時間程度で読めました。(めちゃくちゃ本読むの遅い人)集中しよう!と思って読まなくても、引き込まれていく感じ。心理学や脳の仕組みに興味がある人だったらあっという間に読めてしまう。単価のお手ごろさも魅力です。
ストーリー展開がある
独裁者ゲームに例えたり、カジノや不倫、毒親、バッシングやインポスター症候群、男脳や女脳など、現代で話題性のあるテーマについて、面白くわかりやすく、脳科学の観点、データをもとに記してあり、うなずきポイントが散りばめてあります。
下記は、中でもピックアップしたい項目のみふんわり感想を述べています。当たり障りないですが、ご参考にどうぞ。
人類は共同体であるが故の考え方
なぜ人はバッシングしたり正義を振りかざしたりこらしめてやろうとするのか。
不倫もバッシングも脳や遺伝子に操られている
社会の規範に反する行為を見逃せない!と正当な、正義の意見として燃えに燃えてしまう行為。これは、ざっくり言うと美味しいところだけもっていくのは許せないという妬みの気持ちです。(詳しくは本を読んでくださいね)自分たちは、組織の一員として税金や社会保険を納める。その代わりに恩恵を受けているのに、ルールを守らずいいところどりする行為に対して、排除機能が組み込まれていると!まさか、そんな遺伝子レベルの話であったとは驚きです。たしかに、島国である日本は、共同体感覚が強く、協力、協調を重んじて歴史ができていますものね。社会性の高い人ほど、攻撃傾向があるとの研究報告もあるそうです。
肉体の脆弱性と子育て期間の異様な長さのために、集団で生き延びることが種の保存に必須であるために社会性が大きく発達した生物である人類には、フリーライダーの検出機能と排除の機構がほかの生物よりずっと強力に組み込まれているのです
第一章 犯人は脳の中にいる~空気が人生に与える影響とは? 共同体を乱すフリーライダー
恩恵を受けたら返したいという返報性
何か人からご恩を受けたら、それを返さなくてはならないと、自分に利益を顧みずに行動することを美しいと感じる気持ちが人間にはあるようです。そこから、その気持ちが重荷となってしまうから、人に迷惑をかけたくないという気持ちが出てくるとか。
脳の仕組みって間すっ飛ばしすぎですね!!
恩を返したい⇒返さなくてはならないという重荷になる⇒人に迷惑をかけたくない
こんな脳の仕組みがすでに構築されてるなんて深すぎませんか?端折りすぎてはいませんか?面白い!
とはいえ、割と私はこんな人です。
恩を受けた⇒感謝する⇒いつかお返しするので仲良くしてください⇒相互迷惑かけあって、お互いさまで生きていきましょう♪
ちなみに、夫はこんな人です。
恩を受けた⇒感謝する⇒重荷になりつつ、迷惑をかけないように一人でから回る⇒仲間に助けてもらう⇒素晴らしいクオリティーのものを返す⇒恩を受ける のループに入り、結局愛されキャラ。
昔からこんなマインドだったわけではなく、紆余曲折ありここまできたので、脳の仕組みとはいえ、個体差があるとは思いますが。一般的には中野先生のいうプロセスを無意識に変換していると感じます。
家族関係によるストレスが大半を占めている
日本では殺人事件は減少傾向であるにもかかわらず、家族間での殺人事件の割合は増加しているそうです。これは閉塞感の影響があると中野先生は記しています。他人であれば、離れていくことが可能だけれども、家族となると縁を切るのは容易ではありません。不快であったり、苦しかったりする親子間、夫婦間、兄弟間の関係性を解決するには共同体や集団結束の美しさにとらわれる人種にとっては脳の構造上難しい問題でもありそうです。
長編となるので、前編後編に分けます。続きは近日公開する後編で。
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