凄い本に出会いました!!と興奮気味にLINEをもらいました。
「自分だけの答えが見つかる 13歳からのアート思考」

薦めてくださったのは図書館司書でプロコーチの男性。早速読んでみたので考察をレビュー。
と思ってブログ記事を書いたあとに、オリラジあっちゃんのYouTube大学で2回に渡り、熱くこの本についてお話されてる回を発見!すごく丁寧に紹介されてるので、気になる方はこちらからチェックを!あんまりネタバレしたくない方は私の記事をそのままどうぞ! NAKATA UNIVERSITY に行った人も戻ってきてくださいね!
中学生以上が読めるバイブル本
美術家の教師をしている著者が、自身の仮説をもとに、美術の話をしながら、壮大なスケールで思考のプロセスを順序良く進めていく本です。
13歳以上90歳未満読書可能
13歳からとあるけど、何歳が読んでも大丈夫です。現に私は40だし、紹介者は60代。 90歳以上でも心身健康で視力のある方なら読めるんじゃないかな。 13歳というのは、著者が仮説を立てている〈中学に入り図工から美術に切り替わる歳〉 分岐点としている「美術への苦手意識」というところで定めたタイトルのようです。
美術の授業をベースにした単行本
300ページ以上ある、ぶあつーい本なんだけど、難しい内容はひとつもないし、字もそんなに小さくない。何よりわかりやすい口調で進めてくれるので、どんどん読み進められます。
授業形態になっていて、6時間目まであります。6時間目になると、もうだいぶ自分の考え方が変化していることに気づくはずです。
人生100年時代に読むべき良本
この本は美術の話だけではないのです。美術をいまいち理解できない人にもうってつけだけど、人生100年時代に間違いなく読んでおいたほうがいい良本だと思います。本が苦手で美術がとっつきにくい人でも触れやすい、親しみやすい内容になっています。たくさんの著名人も大絶賛してることからも推測できるように、時間がなくても、読書が苦手でもワーママの私も読めたのだから大丈夫。
アートとは無縁な人へ
タイトルからして、若干怯みそうではありますが、そんなことないんです。いろんな自分の概念を覆してくれるからご安心ください。
美術は好きだったけどテストの点はいまいちだった
私自身、シルバーやステンレスでアクセサリーを作ったりするし、結婚指輪や婚約指輪などのデザインにも携わったりするので、美的センスを磨くために、海外Vogueを定期購入しているのだけど、中学時代の美術の成績は思わしくなかったです。
美術は好きだったのだけれど、テストの点数は良くなかった。3回も見直して、絶対満点取れてるって思ったテストがボロボロだったり。「あーセンス、ないんだなぁ」って自分にがっかりしていました。
自称アート型
でも、美術館は大好きだし、写真展とか博物館とか何時間でもいられるのです。だから自称は、割とアート型だと思っていて、この本の中で次々に出てくる問いも、どれもアートに思えていたのだけど、理由を尋ねられると明確な答えが出せませんでした。けれど、授業を進めるにつれ、だんだんと自分の中で消化できてくるような感覚がありました。著者の手腕が凄い!
自称アンチアートの方へ
そんな方にこそ、読んで欲しいです。ぶあつーい本なのにたった6点しか作品が出てきません。丁寧に解説されているので、芸術なんてわからない!わかりたくもない!って思ってる反芸術の方に向けて、こんなに面白いという話がザクザク出てきます。
リアルさって
目に映る世界は、見る人の知識や経験によって大きく歪められます
「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考
という一文があったのですが、最高にうなづきポイントでした。
目に映る世界だけでできてるわけじゃない
こんなことはみんな頭の中ではわかってるけど忘れてしまいがちで、私も日頃からうっすら気にしてはいるけど、やっぱり忘れがち。どうしても目に入ってくる情報のほうが強いものです。
でも、情報が強いと感じるのは、視覚的なものがリアルだと感じやすいから。視覚的に入ってくると、自分のフィルターを通してリアルを良いや悪いで判断しがちです。自分のこれまでに得た知識やこれまで積んだ経験を通してそこにある視覚的リアルを判断するから、本当のリアルが見えなくなる。凝り固まった性格は、知識や経験を通してだんだん形成されていくから、自分にたっぷりと染みついていくのです。

写真は補正されている
最近、カメラを新調しました。仕事柄撮影も多いし、学生時代から写真が好きで、使い捨てカメラをとにかく愛用しては現像して出てくる写真を楽しみにしていました(昭和時代ですよ)。現在はスマホのカメラも物凄く鮮明で綺麗な写真が撮れるし、アプリではレンズ交換もできるし、エフェクトも様々で手軽に楽しむことができますよね。
けど気づいちゃったのです。その高性能なカメラに映し出されるものが「リアル」ではないのだと。カメラは人の手で作られ、プログラム制御され、撮りたいものを自動的に補正する。
本当はそんな顔をしていない私が映っているし、実際は全然違う色のものがそれっぽく映っているのです。
リアルって、なんだろう。相手が伝えたいリアルってなんだろう。私が感じてるリアルと違うかもしれません。
自分なりの答え
自分のものの見方をもっている人。それは自分なりの答えがある人と同義な気がしました。
自分の価値観と相手を敬う心
自分の価値観を知って、自分の譲れない軸をもっている、そういう人こそがアートの本質的な部分を感じることができ、他者の気持ちなんてわからないと投げ出さずに、何を思ったか、どう感じていたかを想像することができるんだと思います。
実生活でも然り。アート的なものの見方は人生を豊かにするということを、この本で教えてもらいました。自由に感じ、表現する喜びを知っている人が答えをだせる人なんだと。
常識や「あるべき論」に囚われずに、ただやりたいことを、心の赴くままに熱心に探究して、自分の見方で、答えを導いていく人。
相手に合わせたり、どう思われたりを気にしながら生きるのではなく、そういった気持ちを手放した人こそが、幸せを掴みとれるのではないかと思います。
何を伝えたいんだろう。どんな風に受け取れるだろう。どんな方法で描いたのだろう。いろんなことを想像して、いろんな視点でものを見る力を育む必要性を教えてくれる本です。

リフレーミング
コーチングやカウンセリング、心理学用語として用いられる言葉で、「枠組みを外して別の枠で捉える」っていうようなことなのですが、この本にはリフレーミングの重要性がとても詳しく解説してあります。当たり前をぶっ壊すじゃないけど、勝手な思い込みをやめる勇気と情熱が生み出す力が大きいことを、例題を通して、13歳でも多分90歳でもわかるように丁寧に事例と共に描かれています。
アーティストってなに
アーティストの定義について、みんな考える定義が違うだろうと思いますが、私がこの本を読んで思考をまとめたことは、好奇心のままに探求し続けた人が生み出すことすべてという結論に至りました。
好奇心のままに探求し続ける人たち
レオナルドダヴィンチだってピカソだって、千利休だって、歌手だって俳優だって、職人だって、クリエイティブな仕事じゃなくたって、私だってあなただって、探求し続けたことを生み出していたらそれについてはアーティストじゃないですか?
ずっと継続してること、諦めきれずに努力してること、時間を忘れて没頭しちゃうこと、そんなこと一つでもあったらアーティストと自分を認めましょうよ。
斬新なことがアートとは限らない
人と競いあって、他人から与えられたゴールを目指してアートと思って日々せわしなくしている人がアーティストなわけではない。自分なりの答えを知っていて、本当のものの見方を知っていて、自分に嘘偽りなく、模索している人が、例え今は花を咲かせられなくても、たくさんの根を伸ばしている最中かもしれません。
アーティストになりたいんじゃない、気づいたらなってるが正。
アートとは何か、是非この本を通して考えてみて欲しいです。そして是非いつか雑談会かセッションか井戸端会議か何かの機会で意見交換しましょう。
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