コーチングとティーチングの違い


コーチとは

コーチ(coach)」という単語は、もともと”馬車”という意味を持っています。

アメリカのファッションブランドCOACHのブランドロゴを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、あの人や物を運ぶというイメージです。

“今いる状態から他の目的地や目標地点へ導くもの”の意味で使われるようになりました。

現代だとタクシーですね。現在地から目的地まで連れていってくれるもの、カーナビをイメージしてもらうとわかりやすいです。


20世紀に入ってから、スポーツなどで選手を勝利に導く指導員をさす言葉になっていったのですが、優秀なコーチは技術を教えるだけじゃないんですね。

「コーチング」とは二人の人間が対話し、コーチされる側が自分から答えや課題を見つけるよう導いていく技術、ということになるでしょうか。 

ティーチとは

ティーチングとコーチング、似たような言葉だけど、何が違うのでしょう。

ティーチングとは「教えること」。指示やアドバイスによって相手に答えを与えること。 

子どもを躾ける上で、守らなくてはならない決まりごとを子どもに伝え、瞬時にその通りに行動してもらわなければいけない状況に往々にして直面しますね。

すぐに従って欲しい状況では、「コーチング」ではなく、行動手順を具体的に指示する「ティーチング」が必要になります。 

「ティーチング」は教える側が教えられる側よりも知識を持っていることが前提になるのです。

カウンセリングとは

次に、カウンセリングとコーチングとの違いをみていきましょう。

「カウンセリング」とは、もともとは精神医学用語で、「専門家が相談者に助言や指導を与えること」という意味があります。

けれど、現代「カウンセリング」という言葉は、日常的に使われるようになってます。その意味も「専門家の指導」というよりも「相談する、話をする」という意味で使われるシチュエーションが多いですね。

もともと「カウンセリング」技術も、相談者の話を聞き、質問を利用して問題を特定するという「コーチング」の流れと似たところがあるのですが、「コーチング」と「カウンセリング」の決定的に違う点は、マイナスから0ベースにもっていくのが「カウンセリング」。0から目標に向かって向上心をあげていくのが「コーチング」という認識をもっています。

言葉の意味は違えど、前向きな声がけを

混同されやすい「コーチング」「ティーチング」「カウンセリング」ではあるけれど、人とコミュニケーションを育むにはどの技術も適度に組み合わせて用いる必要性があります。

学校の先生や、塾の講師、スポーツのコーチでさえも、コーチングのスキルをもっている人ばかりではありません。相手にとって良くない声がけをしている場面を多く見ますし、例え知識があっても、立場が上となると、いざ上手に使うことが難しいのです。

けれど、少しでも声がけの秘訣と可能性を知って、インタラクティブなやり取りをして欲しいです。一方方向の押し付けや支配は、だれも幸せになりません。相手に考える余白を与えましょう。隙間を埋めずに、ゆっくりと待ってあげましょう。

難しく考えることはないのです。要するに、相手をハッピーに、自分自身もハッピーでいられるような前向きな声がけをしていこう!!ってことが円滑なコミュニケーションを育むために一番大切なことだと思ってます。