チャイルドコーチング5つの基本ステップ

チャイルドコーチング5つの基本ステップ

子どもに向けてのコーチング、チャイルドコーチングとは

子供の主張をよく聞く → 聞き手が真摯な質問をする → 子供に解決案を提案させる

の順序で、親にとっても子にとっても気持ちのよい豊かな暮らしになるようにやる気スイッチを押し続けられるようにすることで、このような好循環が生まれると家族関係がぐっと、さらに向上します。

おおまかにコーチングは5つの段階に分けられます。
ひとつずつ詳しくみていきましょう。

1.傾聴する

途中で口を挟まない

話している人の気持ちに同意し共感しながら聞いてみてください。話している間に、本人にも発見があったり思い出したりと時間がかかるものです。せかさずにじっくりと話を聞いてみましょう。途中で口を挟まずに話を聞くことが最も大事なポイントです。

非言語コミュニケーションに注意を払

物事の経過に注意を払うのか、相手の感情に注意を向けるかで、聞き手が受ける印象は大きく変わります。話だけに気を配るのではなく、身ぶりや手ぶり、表情など、言葉以上に非言語コミュニケーションのほうが真意を聞き取りやすいと心得ていたら良いでしょう。話の内容はそのあとで、くらい様子を観察してみましょう。


現実的に、家事をしながら子どもの話を聞くというシチュエーションは相手をしっかり見ていないので、真意を聞くのは難しいです。手を止めて、向き合ったり、隣に座ったりして話を聞くのが理想です。少しハードルが高いように感じますが、心に留めておいてください。

2.共感する

目を見て温かな表情で話を聞く

子どもと常に信頼関係が築けているというのは勘違いです。親子であっても、それは思い込み。愛情があるから信頼関係が成り立つとは必ずしも言えないのです。まずは一度、子どもの話に共感し、受容しましょう。

優しい表情、しっかり目を見る。言うまでもなく、大切なことだと理解している人は多いのですが、我が子となると、日常となるとできなくなるものです。意識してみましょう。

ペーシング

相手のペースに合わせて話を聞くことを「ペーシング」と言ったりしますが、子供がゆっくりした口調で話しているならゆっくりとした受け答えを、憤慨しているときなら、親も真剣なまなざしで「ちゃんと聞いているよ」という姿勢で、怒りの感情を受け止めてあげましょう。

ここで温度差が出てしまうと、せっかく話そうとしている子どもも一気に興ざめしちゃう気がするのは、子供時代があるあなたならわかる通り。

ミラーリング

「ちゃんと聞いているよ」には、相手の言葉を繰り返す「ミラーリング」という認知的共感のテクニックもあります。文字通り、鏡のようにオウム返ししたり、要約したり、違う言葉に置き換えたりすることを指しています。

怒りの感情の根源

楽しい話を聞くときは、楽しい気持ちで聞いてあげたら良いけど、怒りの感情を共感して聞くことは少し難しいですよね。けれど、怒りの感情の奥には、不安や悲しみ、寂しさなどが含まれていることが多いから、そういった感情を吐き出させ、受容の気持ちで共感していることを態度で示してあげると、気持ちをわかってもらえたという認識ができて、次の段階に進むことができる気がしますよね。

怒りの感情の本当の原因は、多くの人が自分でもわかっていないことが多いものです。これは大人でも子どもでもそうですよね。だけど、聞き手のペーシングやミラーリングによって感情が解きほぐれていくことがあるから意識的に試してみましょう。

3.質問する

相手に考えさせることに主軸を置いている相手のための質問

コーチングでの質問は、親が聞きたいことを聞く、尋ねたいことばかりを尋ねるための質問ではないのです。

子どもは質問を受けたことによって、話を整理したり、筋道を通したりするから、細かい説明が必要になる場面も多くあります。その一つ一つの作業によって、思考が整理、分解されて脳内がクリアになっていくことも多いです。気づきや発見を促すような質問を投げかけられるよう質問力が問われます。質問の意図や目的を明確にした質問かどうか注意を払いましょう。

質問の種類

ビジネスシーンでは良く耳にする言葉ですが、「クローズド・クエスチョン」と「オープン・クエスチョン」の2つがあります。

クローズド・クエスチョン

閉ざされた質問でイエスかノーかで答えるような質問になります。回答しやすい質問です。

今日の学校は楽しかった?・動物は好き? などスピード感があります。

オープン・クエスチョン

開かれた質問です。相手が自由に発言できるような質問ですね。具体化したり、広く情報を収集したりできます。

今日は学校で何したの?・どんな動物が好き? など相手に考えさせる質問です。

子どもの年齢や、困っているケースなどシチュエーションに応じて質問形式は変化しますが、基本的には、質問を制限しない、オープン・クエスチョンを多用したコミュニケーションをとっていきましょう。

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親がある程度制限をつける、または前提をもって話を聞こうとすると、本当は話したい子どもの気持ちが折られることがあります。本当にしばしばありますし、だいたい親が言葉のチョイス間違えたなって後から自省するのはここだと思います。「How」「Who」「Where」 「When 」「What」の疑問質問を意図して問いかけるようにしてみましょう。

詰問

ただ「Why」を多用すると、尋問のような質問になりがちなのでネガティブな質問と組み合わせずに、どうしたらポジティブな質問になるか、一度質問する前に、一息ついてみましょう。なんでこうしたの?どうしてやらなかったの?の質問を、自分が突き付けられたらどう思うか、相手の立場になって声がけしてみると良いですね。


大人も子どもも誰でもそうですが、他人の意見は聞きたくないけれど、自分で決めたことは頑張ろうと思えたりしますよね。どうすれば、自分で決めたことと定義できるか、質問力が試されるけど、ちょっと心に留めておくと、コミュニケーションもうまくとれていくんじゃないかなと思います。

4.承認する

承認欲求

心理学者マズローは人間の欲求は5段階あり、他者からの承認欲求もその1つだと唱えています。基本的欲求である「承認欲求」を満たしてこそ、自己実現に繋がっていきます。

人は誰でも、認められたいという欲求があります。人から認められることで、安心したり勇気がわいたりするものですよね。

友達にすごいねって言ってもらえる、親や先生が褒めてくれる、その結果、探究追及心が向上し、個性や創造性を高めることができる人が多くいます。現代人にとってはSNSやLINEなどは切っても切り離せない、しっかり考えて付き合いたいコミュニケーションツールですが、承認欲求自体は、大切な欲求であることに間違いがないです。

存在承認

第一段階である、親から承認されるという事実こそが、子どもの成長過程で一番大切なことと言えると私は考えます。

親の承認とは、存在自体を認めるということ。存在自体を認められてこそ、子どもが親と本当の意味で向き合うことができます。その承認により、子供は力を発揮できて、人生を自らの力で歩いていくことができるのです。

存在承認は、単に「褒めよ」ということではなくて、存在を受け止めるということです。存在に価値があると伝え続けていくことです。

赤ちゃんの時は存在だけで可愛い可愛いって言ってたし、思ってただろうけど、徐々に伝えなくなっていく傾向にありますよね。でも伝え続けていくことこそが、とても大事なことなのです。

大人同士でも然り。配偶者同士で、身近な存在の人同士で存在価値をしっかりと丁寧に伝えていきましょう。

義両親は今でも夫に存在価値を伝えています。そういう私も、祖母、父母、兄弟が今でも存在価値を伝えてくれます。照れくさいけれど嬉しいし、両家ともに有難い育て方をしてもらってきたなって心底思っています。

だから、悩んでいる人がいたら還元したいです。
私があなたの存在価値を伝えたいです。

例えば

  • 任せる。
  • 相談する。
  • 笑顔をみせる。
  • 名前を呼んで挨拶する。
  • 感謝やねぎらいを伝える。
  • 一緒にアクティビティーする。
  • 観察して私からのメッセージ【思い】を伝える。

とびきり難しいことはないですよね。任せたり、名前を呼んで挨拶したり、あなたの存在が私にとって価値があるということを全身全霊で伝えるだけ。今すぐにやってみましょう。

成長承認

相手の変化や成長に関わる事実を伝えます。子どもはずっと成長していくので伸びしろいっぱい、承認ポイントいっぱいあります。是非明確な言葉で伝えましょう。

成果承認

「褒める」ことです。成果を伝えることでモチベーションアップに繋がります。むやみに「褒める」ことは好ましくないと言われますが、私自身は承認経験自体が大切なことだと捉え、もっと多くの言葉のシャワーを浴びさせてあげてもよいくらいではと思っているので、使い方次第、言い方次第だと感じています。

5.行動させる

自分から行動させるために

チャイルドコーチングの目的は、自分から行動させることです。【自分でできない理由を探って、どうすればできる理由に繋がるかを構築して、行動に移す。】という最終目的まで辿りつくよう促していきましょう。

フィードバック

行動させるために大切なこと。それはフィードバックです。

いままで聞いた話しから、感じたことを素直に子どもに話してみましょう。

ここまで4つのステップを踏んでも、わからなかった問題に対し、フィードバックをもらうことで新たな気づきがあるはずです。

フィードバックというのは聞き手の感想であって、自分の話をしたり叱ったり押さえつけたりすることではないですよ。

必ずしもポジティブな感想である必要性はないけれど、自分の感情を、子どもとの信頼関係を大切にしながら、伝えたい気持ちをダイレクトに伝える必要があります。

子どもの気持ちを知って、子どもへ自分の気持ちを伝えたあとは、ズレを修正しながら目的を一緒に達成していくことができるはずです。一歩一歩進捗を確認しながら声がけをしていくことができるのは、近くにいる親だからこそ味わうことができる最高の醍醐味だと思いませんか。

子どもは、一緒に考えてくれると安心できる親と、心の距離が近いことで、強い気持ちをもって目標に到達していくことができます。親は努力の過程をみていくことができます。こんな素晴らしい経験は親じゃないとできないです。先生や友達にはできない、親だからこその最大の特権なのです。これを使わない手はないですよね。

過干渉とは違います。あくまでも、子どもが手を差し伸べてきたときに、すぐ近くにいるよっていう距離感で成長を見届けるということだから、混同しないでくださいね。

チャイルドコーチングマイスターは我が子にコーチングできるか?

「スキルはなんとなくわかった。言ってることは理解できる。ところであなたは実際できるの?我が子にコーチングやれてるの?」って聞かれたら、「男児3人産み育て、上の子は中学生にもなるけれど、まだまだ未熟者です」というのがぶっちゃけたところ。

怒ったりふざけたり、子どもと一喜一憂したり、泣いたり弱みみせて子どもに慰められたり、スキルなんて忘れちゃうこともいっぱいあるけど、それでも大事な子どもが、夢や目標、目的に到達できる手伝いをしていきたいと思ってます。だから、間違えたときはちゃんと謝るし、こちらが何かしてもらったらお礼は、めいっぱい言います。親もいきなり立派な親になれなくて、転んで傷作りながら少しずつその子の親になっていくしかないと思ってます。

親だから、コミュ力はあるほうだから、っていう過信は禁物で、その子に応じた対処をしていかなくてはと考えます。我が子の親になったのは、私と私の夫の意志ですものね。承認の心とお天道様のような笑顔だけは忘れずに、目をみて、真意は何かを感じながら、子どもたちと向き合っていきたいなと思っています。

お互いに頑張りましょう。

我が家の子供との関わり方や、日常の様子を切り取ったものを成長記録も兼ねVlogとして、YouTubeにあげています。Kfam Vlog良かったら見てみてください。

周りを良くしたい、環境を良くしたいと願うなら、まずは自分の行動から。これに尽きると思うから、まず自分ができる小さな声がけから変えていきましょ。

紹介したスキルを使ったり、使えずに失敗した体験談など、沢山のことをブログ記事で紹介していきますのでよかったらカテゴリーで面白そうなネタを見つけて、少しでもお役にたてると幸いです。

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